真言宗豊山派仏教青年会の歴史は、戦後復興から経済成長へと移りゆくさなかの、
昭和32年秋にはじまります。
戦後の豊山派では、ひろく世間の人びとにお大師さまの教えを伝えようという機運が高まり、
日々研鑽に努める青年僧侶の活躍を期待する声が出されるようになりました。


こうした各方面からの要請を受けて設立準備委員会が発足。
昭和32年11月、真言宗豊山派仏教青年会が設立されました。
翌年の昭和33年4月20日には、仏教婦人会と共同で機関誌『豊友』が創刊されます。
「豊山の善き友」という意味を持つ誌名は、歴代の会員たちに受け継がれ、
現在も刊行され続けています。


設立当初の仏教青年会は、単立の青年会組織としてスタートしました。
その後、仏教青年会の波は全国に広がり、
関東首都圏から東北、北海道、中部地方、近畿、四国にいたる各地で、次々に支部が誕生。
全国にネットワークをもつ一大組織へと発展しました。


その活動は、宗派内にとどまらず、宗派や地域の垣根を超えたものとなっています。
智山派仏教青年会とは早くから交流を深め、
全真言宗仏教青年会の連合団体である全真言宗青年連盟には、結成当初から加盟しています。


さらには、日本の伝統仏教界における唯一の連合体である全日本仏教会にも参加し、
他の仏教諸宗派との連携を強めています。
また青年仏教徒の相互連帯を目的とする全日本仏教青年会、
ならびにその世界的な組織である世界仏教青年連盟を通して、
全世界の青年仏教徒との交流を深めています。


このように豊山派仏教青年会は、地域レベルから世界レベルにおよぶ幅広い領域で、
仏教の宣揚と世界平和の進展に寄与する活動を展開しているのです。