『 子年の千手観音菩薩 』 | ||||||||||
東京都葛飾区 慈眼寺住職 東京3号仏青会長 阿部憲裕 |
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仏教では、干支ごとに守り本尊がおられるといわれております。守り本尊様は、それぞれの干支に属する人々を開運へと導き、厄除のための守護をし、祈願成就を助けてくださいます。
埼玉県の狭山湖畔にある山口観音では、そんな平安時代の千手観音菩薩に参拝することができます。
お大師さまは、この地を千手ヶ谷と称し、「一心に観世音を信ずる者には、必ず諸願を成就せしむ」と伝えられました。境内には、お大師さまの徳に感じて龍神が湧かせた「弘法大師加持水」という霊泉があり、現在も弘法大師伝説を目に見えるかたちでとどめています。 行基菩薩作である山口観音の本尊は、秘仏であることから拝見できませんが、その代わりに市指定の有形文化財である裏観音が常時開帳されています。これが平安時代後期の作、往時の信仰を偲ばせる二本の腕を上にあげた観音様です。 そういえば、去年、豊山仏青50周年記念事業の一つである『求道求法の道を訪ねて 〜青龍寺送り大師〜』で訪れた中国唐代の仏教史跡・龍門石窟にも、千手観音菩薩がいらっしゃるそうです。いよいよ新しい年の始まりです。新しい年に、子年の守り本尊である千手観音菩薩様にお参りされてはいかがでしょうか? |