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仏さまは数多くいらっしゃいますが、衣を身にまとっていない仏さまはいません。写仏をするうえで大切なことの一つに、いかに動きがあるように見せるか、があります。動きを見せる大きな要素が、衣の動きです。

 実際には、平面に描くものですから、動きを表現するのは至難の技です。しかし、ちょっとした部分を立体的に見えるように描くことや、つなぎ目を工夫することで、衣の動きを表現しやすくなります。

(1)衣のつなぎ目

 できるだけ想像してみて、どのような衣の重なりになっているかをイメージすることが大切です。
 この図は、下方向に垂れている衣が、横方向に伸びている衣の、後ろから前に出ている構図です。


 つなぎ目がイメージできたら、重なりに合わせて線の太さを変えてみましょう。衣の内側に入り込んでいる箇所は、入り込む線を細く描いてみると、立体感が表現できます。

(2)衣の形

 仏さまが身にまとっている衣は、私たちが普段身につける服とは違います。中には、一枚の大きな布を巻いていることもあるでしょう。
 一つの線が、「衣の端」なのか、「衣がなびいている箇所」なのか、よく想像してみましょう。
 以上の他に、衣の先に向かって筆を払っていく、というのも動きを表現するのに有効です。自分なりの表現の仕方を模索してみるのも、写仏の楽しみ方の一つ。自分なりの動きの表し方を見つけてみてください。

 仏さまが身にまとう衣を、実際に自分で着てみるのが一番わかりやすいですが、なかなか難しいでしょう。そんな時は、仏像を見学してみるとか、お坊さんに聞くのもいいかもしれませんね。