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【豊山仏青機関紙 豊友第134号】 平成21年4月21日発行
発行者:豊山派仏教青年会 真言宗豊山派宗務総合庁舎内 (直通)TEL・FAX03-5940-0585
発行人:鈴木道盛
編 集:豊友出版部

〜 も く じ 〜

>一年を振り返って 鈴木道盛 

>学生の成長を信頼する 舎奈田 智宏

>編集後記
 

「一年を振り返って」
 豊山派仏教青年会 第27代会長 鈴木 道盛

謹啓 清和の候、皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は当会の活動に対しご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 豊山仏青会長を拝命してから早くも一年が経過致しました。この一年を振り返りますと、当会の通年事業活動をはじめ、また多方面より様々な催しのご案内を頂戴し参加して参りました。殊に第十四回智山・豊山・新義青年会合同結集根来寺大会、全真言宗青年連盟第二十九回結集清荒神大会、全日本仏教青年会奈良千僧法要には大変数多くのご参加を頂き、当会の存在を多方面にアピール出来ましたことは只々感謝の言葉しか見つかりません。また昨年度は、智豊合同伝道ポスターを当会担当で発行させて頂きました。「自然共生」「伝承」をテーマに、『射しこむ光 照らされる命』を標語として、視覚的に伝えられるポスターを目標に作成致しました。これに対してもご好評を頂いていると聞き及び胸を撫で下ろしております。

浅学非才の身でございますが、宗内諸大徳、並びに豊山仏青理事・会員各位、また各事業実行委員会皆々様の温かいご支援を頂戴し無事一年を全うすることが出来ました。ここに厚く御礼申し上げます。

先般、理事会において平成二十一年度事業活動を承認頂きました。その中には、全真言宗青年連盟第三十回記念結集東京大会、並びに豊山太鼓千響がございます。全青連結集に際しましてはすでに実行委員会を設立し、真言僧侶として研鑽する場、また広く懇親を深めることが出来る場を提供するよう会議を重ねております。今後もより素晴らしい結集になるよう努めて参りますので、多くの方のご参加をお願い申し上げます。また豊山太鼓千響は、四月より発足する当会通年事業です。六大響をはじめとした様々な太鼓楽曲を後世に残すことを主旨とし、仏青全員が心一つに一糸乱れず太鼓を叩けるようになることを願い、「千名による太鼓の響き」で千響と致しました。こちらに対しましてもご理解を頂戴し、何卒ご協力を頂きますよう重ねてお願い申し上げます。

 豊山仏青五十二年目を迎えるにあたり、今後も執行部事務局一丸となりまして精進努力して参ります。何卒変わらぬご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。  合掌


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「学生の成長を信頼する」
 東京3号 真勝院 舎奈田 智宏

 昨年四月より、勉強中の身ながら大正大学の副手を拝命し、一年を過ごしてきましたが、その中で特に感じたことは、学生の成長を信頼する大切さです。学生会の活動や、水曜勤行、成道会等における学生達を見たり、彼らの声明や読経などを聞いたりするに及び、大正大学で過ごす日々は、どんなにゆるやかであっても、学生達に確実に成長を促していると感じます。

入学した当初は目立たなかった学生が、成道会に際して、六大響の太鼓を礼拝堂の前で誰よりも堂々と叩いていたり、漢文を読むこともおぼつか無かった学生が、自分なりに仏教について考え意見を言ったりする。般若心経さえ十分に読めなかった学生達が、礼拝堂の本尊阿弥陀如来の前で、大勢の来賓を前にして声明で仏の世界を表現する。

今でも時には学生の姿を見てじれったく思うこともありますが、それと同時に、きっと今学生達が体験していることや、成長のスピードは、それが彼等一人一人にとって最も適切なタイミングであり、必要な出来事なのであろうと思います。何より学生と接することによって、私自身も僧侶として成長を促されていた部分が、少なからずあるのだろうと思います。彼等が今後どんな飛躍をみせるのか、見守りつつも余計な手出しはせずに、彼等の成長を、さらには私自身の成長も信頼しようと思います。


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まんが 作/画:田中礼奈 


編集後記

 『点滴穿石』わずかな力でも、積み重ねれば大きな力になる。塵も積もれば山となる、と同意である。

 我々豊山派の総本山長谷寺には「天狗杉の伝説」というものがある。一人の修行僧が、数多くの灯篭に一つ一つ火を入れていたところ、天狗がその火を消して回った。しかし僧侶は、文句ひとつ言わずに、火を入れ続けた。月日は流れ、その僧侶は、ついに猊下になった。その時に「私が今あるのは、若い頃に試練を与えてくれた天狗のおかげである」と言い、灯篭の近くにあった大きな杉の木に住んでいるといわれる天狗に感謝をしたという伝説である。

 今、全世界が「エコ」を掲げ、地球を守るために必死になっている。何か大きなことを成すには、小さなことの積み重ねが大事である。私たち一人一人の力は小さいかもしれないが、皆が積み重ねれば、地球というかけがえのない星を救う、大きな力になるだろう。

 生活の中でも、私たちにできることがある。見て見ぬふりをするなど、面倒という気持ちは、自分に生まれた邪念ではなく、仏さまの与えた試練なのかもしれない。

豊山仏青広報次長 田中宥弘

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