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【豊山仏青機関紙 豊友第145号】 平成24年12月25日発行
発行者:豊山派仏教青年会 真言宗豊山派宗務総合庁舎内 (直通)TEL・FAX03-5940-0585
発行人:花園昌道
編  集:豊友出版部


〜 も く じ 〜

○平成二十四年度第二回理事会を終えて

  真言宗豊山派仏教青年会第二十九代会長 東京二号 花園 昌道

○第二回理事会 西新井大師募金活動報告

○千響義援金お届け報告

○『全真言宗青年連盟 第三十三回結集醍醐大会に参加して』

  埼玉二号 来迎院 渡辺 俊海

○第十六回智山・豊山・新義青年会合同結集新潟大会に参加して

  千葉一号 長覚寺 石井 正稔

○編集後記

 


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  平成24年度第二回理事会を終えて

                   真言宗豊山派仏教青年会第二十九代会長
                                  東京二号
                                   花園 昌道


 例 年、第二回理事会は三派結集・全青連結集のどちらかに付随して移動理事会として開催されておりましたが、本年は西新井大師総持寺にて豊山太鼓「千響」によるチャリティ公演と共催させて頂きました。千響を中心とした東日本大震災復興支援チャリティ公演は、全国各地にて既に五十回以上開催され、豊山仏青の復興支援事業の中でも中心的な存在になっています。一日でも早い被災地の復興を祈り、理事の皆様にもチャリティ活動に参加して頂き、思いを共有させて頂きました。

 今回理事会で承認されました復興支援法要(コンサート)は平成二十六年三月に東京での開催を目指し、豊山災害救援対策本部を中心に、皆様のお力をお借りして進めてまいります。巣鴨真性寺と西新井大師総持寺にて毎月開催させて頂いているチャリティ公演では太鼓の鼓動を参拝の皆様に感じて頂き、「元気」と「心」を被災地に届ける活動を続けさせて頂いております。この東日本大震災の復興支援活動は、被災地が復興を遂げるまで続けて行かなくてはならない活動であり、その中で義援金と共に託された皆様の思いは計り知れないほど大きなものとなりました。そこで、そうした「思い」「祈り」を集約した形で法要を執り行い、被災地を元気に応援できるようなコンサートを開催する事を今後の活動の基点としていきたいと考えております

 また、現在チャリティ公演でお預かりした義援金を我々仏青が直接現地にお届けし、自分たちが見て感じてきた現状をお話して被災地を応援することも活動の一つとなっています。仮設住宅や小学校を訪問させて頂き、今後は未来の日本を担っていく子ども達の笑顔を支える支援が重要になってゆくと感じております。引き続き、宮城・福島・岩手の東北三県への継続的な支援を続けてまいる所存です。

 来年度の豊山単独結集は沖縄での開催が決定致しました。沖縄では十年前に「ルーツ・そして未来へ」をテーマに開催されましたが、現在の会員さんで沖縄結集に携わった方も少なくなってきております。平成十八年に「沖縄戦」激戦の地である糸満市に東京四号支所の岡田弘隆住職が長谷寺を新寺建立なされております。今また改めて沖縄の地を訪れ、戦没者の慰霊を行い、米軍基地問題に揺れる現状を学び、独自の伝統・文化・宗教観に触れることにより新たな発見が出来ると考えております。

 二つの大きな目標が定まり、新たにスタートラインに立った思いで気を引き締め、執行部事務局一丸となり努力精進してまいります。何卒、より一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。                                                    合掌
 
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第二回理事会 西新井大師募金活動報告

                         

 平成二十四年十一月二十一日の第二回理事会終了後、西新井大師境内での千響チャリティ公演に合わせて、各地区仏青会長、理事の皆様に募金活動をしていただきました。
  
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  千響義援金お届け報告

 
 平成二十四年十一月一日に福島県飯館村と相馬市、計四か所に義援金をお届け致しました。飯館村には義援金五十万円と共に越後仏青様より委託されたランドセル四十六個を届けさせていただきました。相馬市役所、相馬市立中村第二小学校、相馬市立磯部小学校へそれぞれ義援金五十万円を届けさせていただきました。

参加者 執行部 花園昌道 猪狩正貴 中島弘顕 木村修明
      千響  木村量興 馬場貞範


相馬市 立谷秀清市長、福島二号摂取院鈴木弘隆住職と共に

相馬市立磯部小学校 江口隆広校長

相馬市立中村第二小学校 菅野孝司校長と相馬市市議会議員荒秀一議員と共に
  
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  『全真言宗青年連盟 第三十三回結集醍醐大会に参加して』

                        埼玉二号  渡辺 俊海


 初秋といえ、暑さの残る十月三日、四日と京都の真言宗醍醐派総本山醍醐寺にて、全真言宗青年連盟第三十三回結集醍醐大会が行われました。醍醐寺は山深い醍醐山頂上一帯を中心に、多くの修験者の霊場として発展してきた寺です。私は初めての全青連参加でしたので大変気の引き締まる思いで列席させていただきました。
 まず、醍醐寺霊宝館に於いての開会式、そして真言宗醍醐派管長、仲田順和猊下の講演がありました。今回の結集のテーマ「如實知自心〜入りて学び、出て行う〜」のお話を頂き、大日経の中に説かれている自分らしい心を持つこと、聖宝理源大師の「実修実証」で自分らしい心をもって自分自身を社会に明らかにする事というありがたいお話をして頂きました。
 
その後、金堂にて法要を行い、滋賀県のホテルに移り懇親会が行われました。他派の方々との交流が無かった私には大変刺激になり、有意義な時間となりました。
 翌日はあいにくの天候でしたが、復興を願う東北の方々に書いて頂いた護摩木を参加者が早朝より岩間寺から醍醐寺までの約十キロを徒歩練行で運びました。そして、醍醐寺にて仲田順和猊下御導師の下、柴燈護摩が執り行われました。数十人の吹螺師を先頭に徒歩練行者が道場に入られ、読経の中、柴燈護摩の炎は天に昇る龍のように見えました。醍醐派の修験道による柴燈護摩に参加させて頂き大変ありがたく、また勉強になりました。

 今回、全真言宗青年連盟醍醐大会への参加は私にとりまして、今後の自分の糧となるものを得たと思います。

 
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  第十六回智山・豊山・新義青年会合同結集新潟大会に参加して

                     千葉一号 長覚寺 石井 正稔



 平成二十四年十一月六日(火)〜七日(水)の二日間、新潟県のホテル日航新潟・西生寺に於いて「自然〜生かされているいのち〜」というテーマのもと、智山・豊山・新義合わせて百名以上の青年会僧侶が参加し、第十六回智山豊山新義青年会合同結集新潟大会が開催された。日程は、初日に大般若転讀会並びに講演会が行われ、二日目は会場を西生寺に移し、御法話並びに即身仏参拝が行われた。

 今回の結集に参加して、特に冨澤信明先生をお迎えして「自然を愛した良寛」というテーマで行われた講演会が印象に残っている。

 講演を聞いて、良寛という人物は、衣はボロ、食は托鉢による乞食、そして住居は借宿や自然の中で生活するなど、当に自然体でその人生を全うしたように感じた。
 また良寛を通じて私は「自然」についての考え方も改めさせたらた。
 人間は昔から「自然」を神として崇め敬ってきた。そして自然災害が起きたとき、祈祷などを行い「自然」に対して祈願をしてきた。真言宗でも様々な修法を行ってきている。しかし、現代では科学技術の発展により、ある程度自然災害を防げるようになってきた。そんな中昨年の東日本大震災、今回の会場である新潟で発生した中越地震や、豪雨被害が起きたわけである。

 日本随一の豪雪地帯で生れた良寛は自然と共に育った。そんな良寛なら、これらの災害をどう感じただろうか。
 「災害にあう時節には、災害にあうがよく候、死ぬ時節には、死ぬがよろしく候、是災難をのがるる妙法にて候」
 とは良寛の手紙の一文である。
 自然体で生きながら、自然の災害すらも受け入れる覚悟がその生涯から見てとれる。
 我々も一僧侶として、その自然体と覚悟をもつ生き方をすることが、これからの時代なお一層求められているような気がしてならない。
 
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編集後記
 

 
 平成二十三年三月十二日、まだ余震も冷めやらぬ中、突然自坊の電話がなった。その電話は宮城県多賀城市に住む叔母からだった。多賀城市は仙台港から近いこともあり、津波が襲い、自宅一階部分は浸水、辛くも近くの高架上へ逃げ切ったものの心臓に持病を持つ伯父は無理がたたり高架上で亡くなってしまったという電話であった。
 
 前日には奇跡的に一度だけ電話がつながり「大丈夫。ちゃんと逃げ切る事が出来た。」と会話したばかりであった。
 奇しくも五月には私の結婚式が控えており、伯父が一番楽しみにしてくれていて、よく見えるようにと緑内障の手術までしてくれた矢先の大震災であった。
 
 最近よく思うのは、あの状況で奇跡的に一度だけ電話がつながったのは、きっと御本尊さまの御計らいだったのだということだ。式には列席してもらうことは叶わなかったが、代わりに叔母に持ってきてもらった遺影にはとても満足そうな笑みを浮かべた伯父がいた。きっと極楽浄土から暖かく見守ってくれていたに違いない。
 
 そんな伯父ももうすぐ三回忌を迎える。時が経つのは早いものだ。しかし被災者の心に刻まれた傷は時が経とうとも簡単に癒えることはない。
 
 私たちに今出来ることはあの震災を、そして被災された方々への支援を忘れないことではないだろうか。是非とも皆様も今後も被災地への継続的な支援を宜しくお願い致します。

豊山仏青広報次長 鈴木 真人

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