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第2回 写仏のはじまり


 写仏には、仏さまの原画を見ながら転写する方法と、仏さまを下絵にして紙を重ねて、写し取る方法との二つの仕方がありますが、現在では後者が一般的になっています。寺院でいただくご本尊さまのお姿は、この白描図像をもとに刷られています。
 昔は、重ねる紙に油を塗って透き通らせ、下絵の仏さまがよく見えるよう工夫を凝らしました。現存する写仏図像の黄褐色をした紙は、この方法を用いたものです。これは、現存のトレーシングペーパーの役割を果たしていると言えます。

参考 『豊友第48号』 難波淳郎 「写仏のすすめ(一)」 昭和55年6月30日

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