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第1回 写仏とは?


 写仏とは、その言葉通り、仏さまのお姿を写し描くことです。実際には、仏さまの絵図を下絵にして、その上に薄い紙をあてて、描きなぞっていきます。

 写仏という言葉を聞きなれない方でも、写経については聞いたことのある方、実際に挑戦したことのある方も多いのではないでしょうか。写経は経典を書写することで、その伝達、普及、研究、さらに精神の練磨や優れた人格形成の手段、そして宗教としての行いまでおしすすめられています。

 写仏は写経と同様に、仏さまのお姿を写し描くことによって、仏さまに接近することなのです。絵画という造型から仏さまの心と一緒になることで、外側から内側に迫るものといえます。

 観音さまを百枚写すと観音さまの夢を見ると言われています。造型の確かさでお姿がイメージとして焼きつけられるからだそうです。仏さまを写して描く、このことが、称名、写経と同じ様に一途な心になって仏さまと会えるのです。

参考 『豊友第48号』 難波淳郎 「写仏のすすめ(一)」 昭和55年6月30日

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